社長ブログ

ANAのシステム刷新に思うこと〜グローバル標準と日本の「おもてなし」の行方〜

皆様、こんにちは。ViVi不動産株式会社の矢郷です。
普段、出張やプライベートで飛行機を利用される方も多いかと思います。私も仕事柄、東京や地方都市への移動で新幹線やANAの飛行機(富山空港にはJALは無いのです・・・)を利用しているのですが、先日、ANA(全日空)の航空券を予約しようとして「おや……?」と手が止まってしまいました。
以前に比べて、予約システムが明らかに使いづらく、分かりにくくなっていたのです。
特に気になったのが「座席の選びづらさ」と「予約変更やマイレージ手続きの煩雑さ」です。これまでは直感的にサクッとシートを選べ、予定の変更もスムーズにできていたはずが、画面の表示が複雑になり、手続きの途中で何度も戸惑うことになってしまいました。
「自分の操作ミスかな?」と思い、気になってネットで調べてみたところ、SNSやレビューサイト、ニュースなどでも不満の声が続出していることが分かりました。どうやら多くの方が私と同じようにストレスを感じておられたようです。

なぜ、こんなにも使いづらくなってしまったのか?

気になって背景を調べてみると、どうやら国際線のシステム基準に合わせて国内線の予約・運賃システムを大幅に統合・刷新したことが原因のようです。いわゆる「グローバル標準(世界基準)」への移行です。
海外の航空会社やLCC(格安航空会社)によく見られるように、「運賃を細かく分け、安いチケットは事前座席指定や予約変更の権利を削る」という仕組みを取り入れた結果、画面やルールが非常に複雑化してしまいました。
ですが、ここでふと思ってしまうのです。
「あれ? 富山空港は、もっとみんなに使って欲しいはずでは……?」
富山空港(別名 富山きときと空港 あっ! 富山高山すし空港 に改名したのでした・・・)は、私たち富山市民にとって非常に大切な地域の交通インフラです。北陸新幹線の開業以降、羽田〜富山便は減便や機材の小型化など、常に厳しい競争環境に晒されています。
地域としても、行政としても、「もっと富山空港の利便性をアピールして利用者を増やしたい」と日々尽力されているはずです。
それなのに、いざ飛行機に乗ろうとする玄関口である「ネット予約」がここまで使いづらくなってしまっては、利用のハードルを自ら上げてしまっているのではないでしょうか。
「新幹線ならスマホでサクッと座席を選んで予約できるのに、飛行機は画面がややこしくて諦めた」というユーザーが出てきてしまわないか、地元企業の一員として非常に心配になります。
地方空港の活性化という観点からも、この利便性の低下は非常に勿体ないことだと感じます。

日本独自の「丁寧なサービス」を捨ててまで、世界に合わせる必要があるのか?

今回の件を通じて、より大きな問いが頭をよぎりました。
「日本独自の世界から絶賛された丁寧なサービスを失ってまで、私たちは世界基準に合わせなければいけないのでしょうか?」
日本のサービス業の真骨頂は、ユーザーの気持ちに寄り添った「きめ細やかさ」と「分かりやすさ」にあります。
言葉を交わさずとも痒い所に手が届くUI(操作画面)や、予期せぬ予定変更にも柔軟に対応してくれる懐の深さ。これらは単なる過剰サービスではなく、日本が世界に誇る「おもてなし文化」そのものでした。
しかし昨今、あらゆる業界で「グローバル化」「システム共通化」「コスト削減」の名のもとに、欧米流の割り切ったシステムやルールがそのまま導入されています。「安さを選んだのだからサービスが制限されるのは当たり前」「自分で複雑なルールを理解して操作するのがグローバル標準」という理屈です。
ですが、日本の良さはまさにその「標準」を超えた配慮にあったはずです。
世界に合わせるために自らの強みである「使いやすさ」や「丁寧さ」を削ぎ落としてしまっては、本末転倒ではないでしょうか。
効率化を優先するあまり、長年培ってきた日本の良さがどんどん失われていく現状には、寂しさと強い危機感を覚えます。

「日本の良さ」が失われた先に待つもの

今、世間では記録的な「円安」が続いています。
海外からの旅行客が日本を訪れ、「日本はご飯が安くて美味しく、街が綺麗で、サービスが親切だ」と絶賛して帰っていきます。
しかし、その根底にある「日本の良さ」や「丁寧なモノづくり・サービス精神」を私たち自身が手放し、諸外国と同じような「効率優先の無機質なサービス」に変えてしまったらどうなるでしょうか。
自らの独自の強みを捨て、安さやグローバル基準に埋没してしまえば、日本の国力やブランド価値はさらに低下し、めぐりめぐって円安や経済の低迷を加速させる要因にもなりかねません。「日本のサービスの質」こそが、世界の競争の中で輝く最大の武器だったはずです。

私たち不動産業界にも通じる「おもてなし」の心

今回のANAの予約システム変更から、私たちViVi不動産株式会社も身が引き締まる思いがいたしました。
不動産の取引も、時代とともにIT重説(オンライン説明)やWeb契約など、デジタル化や効率化が進んでいます。
しかし、システムがどれだけ便利になっても、「お客様にとって本当に分かりやすいか」「不安に寄り添えているか」という視点を忘れてしまっては、プロフェッショナルとしての価値はありません。
どれだけ時代が変わり、効率化が求められても、私たちは日本特有の「相手を思いやる丁寧なサービス」を大切にしていきたい。画面の向こうにいるお客様、目の前にいるお客様が、少しのストレスもなく安心してご利用いただけるような会社であり続けたいと、あらためて強く感じた出来事でした。
大好きなANAだからこそ、そして大切な富山空港の未来のためにも、ぜひ日本のユーザーに寄り添った「使いやすく丁寧なシステム」へと改善されることを切に願っています。
PS.一番びっくりしたのは登録してある家族の名前やマイレージ№など登録内容を変える時に5000マイル必要と書いてあったこと。 それはいくら何でもやり過ぎ(取り過ぎ)な気がする・・・・
皆様は最近のサービスやシステムの変化について、どのように感じられますか?

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(作成日:2026年10月19日)
ViVi不動産株式会社 代表取締役社長 矢郷修治