管理費や修繕積立金の安易な値上げは、そのマンションの価値の低下を招きます。
最近、マンションをご案内するお客様から、ご案内したマンションを断られる理由で多いのが、
「このマンションは、気に入っていますが、管理費と修繕積立金が高くて、住宅ローンと合計すると毎月の支払いが厳しいの購入をあきらめます」
という理由です。
管理費と修繕積立金は、マンションの価値を維持するために必要なお金なのは確かです。
でも、私が見る限り、「そこまで高い金額を毎月集めなくても・・・・」と思わざるを得ない、
高額の維持費を徴収しているマンションを見かけることが多々あります。 高いところだと毎月合計で4万円以上の管理費と積立金を支払っているところも見受けます。
区分所有者の方々は私にこう反論するでしょう。
「だって、管理会社さんが「このままだと大規模修繕の時に工事費用が不足するかもしれない!」って言ったからしょうがない。」と!
管理会社さんの言葉をうのみにしてはいけません。 長期修繕計画に基づいて試算しているのでしょうが、元々その計画書を作っているのは管理会社の息のかかった下請け業者さんです。 どんな計画書だって作れてしまうんです。
管理会社さんにとっては、そのマンションがいくらで取引されようが全く関係ありません。
(極論ですが、)出来る限り多くの修繕積立金を積み立てさせて、大規模修繕の時に、沢山貯まっている修繕積立金を
派手に使わせるかが管理会社にとっては一番大事なのです。
☆管理会社は、大きな工事になればなるほど、管理会社に工事会社からマージン(紹介料)が入る仕組みになっています。
もしくは、管理会社のグループの建設会社が工事業者になっており、そこを儲けさせるために、必要のない工事までさせてしまうことがあります。
☆管理会社の中には、管理担当者に管理組合からどれだけの工事を獲得してきたかをノルマとして課しているところもあるほどです。
だからこそ、管理担当者は、知識のない区分所有者の理事さんたちに対して「このままでは工事費が不足してマンションが危険です!」などと、煽って、ビビらせ、積立金の値上げに踏み切らせるのです。
区分所有者の皆さんが出来る防衛手段は二つあります。
一つ目は、本当に値上げが必要なのかを、「公平な立場のプロ」に精査してもらうことです。
二つ目は、大規模修繕や小規模な修繕を実施する時に相みつを取るなどして積立金の目減りを少なくすることです。 貯金が潤沢で有れば積立金を値上げする必要は無いのです!。
あまりに管理会社が意見を受け入れてくれず、横暴な場合には管理会社の変更も検討してみるのもおすすめです。
「公平な立場のプロ」なんて富山にいるの?? と思うかもしれませんが富山にも実は存在しています。
そ・れ・は・ 「富山県マンション管理士会」という団体です。 マンション管理士という難関の国家資格を持ったプロが助けてくれます。 ここに聞けば簡単な事なら無料で教えてくれますし、込み入った話でも安価で相談に乗ってくれています。 (私も実は所属しているので、お気軽にご相談ください。)
「いろいろ考えるのは面倒だから管理会社にお任せでいいや!」と考えるとマンションの管理会社の思う壺!
そのせいで、自分のマンションの価値を10パーセント以上も下落させてしまう可能性があります。
もしもマンションの管理組合の理事になった時は、せめて「維持費の値上げ要請」と「工事の実施とその費用」に関しては、じっくりと時間をかけて議論するように心がけて頂けると自分のマンションの価値を守れると思います。
令和5年1月31日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治