全国の不動産会社のおよそ半分が大都市圏に集中している理由。
最近、400万円以内の不動産(手数料ではなく、売買価格です。)をお手伝いすることが多々あります。
ご存じの方も多いとは思いますが、不動産仲介の場合の我々の手数料は、売買価格の(3%+6万円)×消費税となっています。(400万円以上の物件の場合)
な・の・で、高額の不動産を仲介した方が同じ仲介の仕事でも手数料の金額は大きく変わります。
400万円の不動産の場合の手数料は売主様から頂ける仲介手数料の上限は19万8千円ですが、
5000万円の不動産の場合の手数料は売主様から頂ける仲介手数料の上限は171万6千円となります。
400万円の不動産の売買仲介を8件契約しても、5000万円の売買仲介1件の契約の手数料にも届かないのです。
地方の不動産業って大都市圏に比べると「労多くして益少なし」なのです。
大都市圏なんて5000万円超えの不動産がゴロゴロしてますから、私から見ると羨まし~~~! ☆ライバルは多くなりますけどね・・・(笑)
その上、実際のところは、低額の不動産であればあるほど、問題が有ったり、調べることが多く、取り扱いも成約も難しい案件が多いのは業界ではよく知られたお話し。
そんな理由で、地価の高い「東京」や「大阪」には不動産会社が、1回の取引でより高い手数料をもらおうと大都市圏に集まっているのです。
富山県には、三井や住友、三菱、東急などの大手不動産会社が営業所が無いのですが、いつまで経っても参入してこないのは、手数料が低すぎてうま味が無いからなのです。
裏を返すと、富山などの地方で低めの手数料でも細々と不動産業を継続している不動産会社は、その地域を愛していて、その地域のために利益は二の次で頑張っている会社!
と、言えるかもしれませんね!
それって本当??って思う方もいるかもしれませんので証拠をお見せします。
現在、全国に不動産会社(宅地建物取引業者)ってどれくらいいるかご存じですか??
なんと全国で、12万5638社あります。(令和2年3月現在)
☆2022年現在で、コンビニの店舗数は全国で5万8千店舗程度ですから不動産会社の方がコンビニの2倍以上も存在するのです。
都道府県別に見ると、一番多いのが東京都で25687社、次が大阪で13153社、3位が神奈川県で8270社、4位が愛知県で6358社、5位が埼玉県で6162社となっています。
この5つの都府県を合計すると、59630社となります。 全国の不動産会社の47.5%が首都圏と大阪と愛知県に存在するのです。 (ちなみに富山県は わずか858社。 割合に直すと、全国の0.68%です。 少ないですねぇ。)
これでいかに、なるべく少ない取引回数で、楽して儲けようという不動産会社が多く存在するかが分かりますよね(笑)
話は戻りますが、400万円以下の不動産の取引の場合は、当社は売主様から一律19万8千円を頂いております。(低額の不動産はあまりに手数料が低く不動産業者が誰も受けようとしない現状を憂慮して国土交通省がルールを改訂したのです。) つまり、50万円~100万円の売買の仲介でも1件19万8千円です。
「50万円の売買価格に19万8千円って手数料高すぎるやないかぁ!」 と、思うかもしれませんが、正直これだけ頂いても
当社は人件費、広告費、調査費用を考えると赤字です。
(なので低額の不動産の場合は、査定をさせて頂いた時に、我々不動産会社を通さず、隣近所の方に直接売却した方がお得ですよ!と伝えております。)
そして、低額の不動産には、安いなりのなにかしらの問題が隠れています。
例えば、
・4m未満の私道だったり、間口が2m未満で接道に問題が有る
・隣の家と壁を共有している。
・上下水道が隣の敷地を通って引き込まれている
・土中に浄化槽や汲み便槽と呼ばれるタンクが埋まっている
・土地の中に水路が通っている
・公図と現況が一致しない
・室内で事故があった。
などなど、一筋縄ではいかない売りにくいものばかり・・・・
更に、現地調査、公図訂正、測量、荷物の撤去、建物解体、市役所との折衝が、通常の不動産よりも重くのしかかります。
私達もトラブルになるのは怖いので、通常よりも時間をかけて徹底的に調査したり聞き込みをします。
そして令和4年までは、
「低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」という制度がありましたので、500万円以下の不動産の売買の時は、無償で当社担当者が富山市まで売主様が確定申告する時に必要な「確認書」の申請と交付手続きを代理で行わせて頂いておりました。
楽して儲けようとしていないことが少しはお分かりいただけたでしょうか????
当社のスタッフは、私も含めて富山が大好き! 富山を不動産を通して活気のある街にしたいと思っています。
そういう内情も分かって、地方の不動産の売主様は、我々地方の不動産会社をちょっぴり大事に思って頂けると嬉しいのでした。
令和5年1月15日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治