巧妙化する不動産詐欺――「不動産版ポンジスキーム」に注意!
巧妙化する不動産詐欺――「不動産版ポンジスキーム」に注意!
皆さま、こんにちは。ViVi不動産株式会社の矢郷です。
今回は、近年多発している不動産詐欺の実例を取り上げます。
「買主はもう決まっています。あとは手続きだけ」――そう言われて安心してしまう人が少なくありません。
最近報じられた事件では、被害者4名・被害総額2,500万円以上という深刻な被害が出ました。
一見すると普通の不動産取引に見えながら、その実態は“ポンジスキーム”型の不動産詐欺とも言える構造を持っていました。
事件の概要
東京都内でマンションを売却しようとしていた30代男性に、
男は「外食産業のオーナーが社員寮として使いたい」と持ちかけました。
契約書や預かり証、名刺、丁寧なメールのやり取りもあり、被害者は完全に信用してしまいます。
「ローンが通れば決済できる」と言われながらも、
決済は何度も延期され、そのたびに「リフォーム代」「適合証明費用」「司法書士手数料」などと称して個人口座へ振り込みを求められました。
最終的に、買主など最初から存在しなかったのです。
なぜ「不動産版ポンジスキーム」と言えるのか
この事件が特に悪質だったのは、加害者が実際に別のもう1件の不動産売買を本当に成立させていた点です。
つまり、「一度は本物の取引を成功させた」という“実績”を見せることで被害者を安心させ、その信頼を次の詐欺に転用していました。
これは、金融詐欺で知られるポンジスキームと同じ心理的手法です。
最初の成功事例を“おとり”として提示し、次の被害者に「この人は本当に取引を成立させている」「安心できる業者だ」と思わせる――まさに不動産版のポンジスキームといえます。
こうして、実績という“信頼の証”が逆に武器となり、より多くの人が罠にかかっていきました。
被害の特徴と加害者の手口
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「買主が決まっている」「高値で買う」と持ちかけ、心理的優位に立つ
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契約書・預かり証・名刺など形式的な書面で“本物らしさ”を演出
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決済を繰り返し延期し、その間に費用だけを要求
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振込先が個人名義口座という不自然な状況でも、「信頼関係」で疑いを封じる
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実際に一度取引を成功させていることで、疑念を払拭させる
被害を防ぐためにできること
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宅建業者の免許番号を確認
免許番号は都道府県や国交省のサイトで照合可能です。
例えば当社の場合、契約時に売主様、買主様の本人確認書類(運転免許証の写しなど)を頂いて必要に応じて相手の方にお見せし、本人確認を徹底しています。 -
契約相手・買主の実在確認
法人なら登記簿謄本、個人なら身分証や実在する勤務先などを確認。
契約書に記載された人物・法人が本当に存在し、その取引を承認しているかを必ず確認しましょう。 -
振込先口座の確認
司法書士や仲介業者の正式な預かり口座以外への送金は避ける。
個人名義の口座や、説明が曖昧な口座は要注意です。 -
追加費用を求められたら要注意
「ローン承認のため」「適合証明のため」といった名目での費用請求は、典型的な詐欺サインです。
一般的に適合証明書の作成費用は買主負担であり、契約時に約束していなかったリフォーム代や司法書士費用を請求されるのは極めて不自然です。
ちなみに、当社ViVi不動産の場合は、不測の事態を除いて、かかる費用はすべてご契約前に説明しています。 -
一人で判断しない
違和感を覚えたら、宅建協会や司法書士・弁護士などの第三者に相談してください。
宅建協会には、不動産取引に関する無料相談窓口があります。
宅建業者の保証金制度について
免許を持って営業している不動産会社が、上記のような詐欺行為を行うことは極めて稀です。
しかし万が一、宅建業者が倒産・行方不明・不正行為などにより金銭的被害を受けた場合には、
「弁済業務保証金制度(宅地建物取引業保証協会制度)」という公的な救済制度が設けられています。
制度の概要
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宅建業者は、営業を始める際に「保証協会(例:全国宅地建物取引業協会、全日本不動産協会)」に加盟し、
一定額の弁済業務保証金を供託しています。 -
この保証金は、お客様が業者の不正や契約不履行により損害を受けた場合に、
上限1,000万円(1取引あたり)を目安に弁済を受けられる仕組みです。 -
被害に遭った方は、業者が加盟する保証協会に申し出ることで、
審査を経て損害額が支払われる場合があります。()
ViVi不動産の立場
当社ViVi不動産株式会社も、全国宅地建物取引業保証協会に加盟しており、
お客様の取引が万一の際にも法的に保護される体制を整えています。
安心・安全な取引を支えるための「仕組み」そのものが、不動産業界には存在します。
まとめ
今回の事件は、「信頼をつくってから裏切る」という、極めて悪質な心理操作型詐欺でした。
一度本当の取引を成立させることで、相手に「この人は大丈夫」と思わせる――まさに金融詐欺のポンジスキームを不動産に応用した手口です。
不動産の取引は人生を左右する大きな決断です。
うまい話ほど慎重に、そして「書面」「口座」「登記」「相手」の4つを必ず確認してください。
ViVi不動産では、安心・安全な取引を守るため、正しい情報と注意喚起を今後も発信してまいります。
何か不安を感じたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。
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(2025年10月22日)
ViVi不動産株式会社 矢郷修治