犯罪利用を「防ぐ」ために、私たち不動産業界ができること
最近、「メンズエステ名義貸し横行」「賃貸物件の犯罪利用防止で県警と業界協定」というニュースが報じられました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea4602a46fa3b21f98f1ad37d24130f28fec10d5
アパートやマンションが、表向きはマッサージ店や個人サロンとして契約されながら、実際には性的サービスの提供に使われている――。
そして、その収益が反社会的勢力の資金源になっている可能性があるというのです。
今年の5月に、富山市内のアパートにあるメンエスで、性的サービスを提供したとして風営法違反容疑で富大准教授らが逮捕されたのは記憶に新しいですね。
この問題に対して、警察と不動産業界が連携し、「使われてから排除する」のではなく「使われる前に防ぐ」という仕組みを作っていくことが、今まさに求められています。
契約前にできる“防止”の仕組み
現場でできることは、いくつかあります。
例えば――
- 徹底した本人確認と事業目的の明確化（本人確認の徹底と事業に関しての聞き取り、そして「マッサージ」「リラクゼーション」などの表現だけではなく、サービス内容・営業時間・スタッフ構成まで確認）
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賃貸借契約書への特約追加（無届営業や風営法違反が発覚した場合の即時解除条項）
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定期的な使用状況確認（夜間の出入りや室内設備の変更など、通常居住用では考えにくい利用がないか）
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管理会社・警察との連携強化（疑わしい動きがあった際の迅速な通報・情報共有）
問題が起きてから「退去させる」では遅いので、防止に重きを置き、但し、起きてしまってからも迅速に動ける体制を構築しておく。
契約時のチェック体制とその後の定期的な確認こそが、犯罪の温床をつくらない第一歩になります。
なぜこのようなビジネスがなくならないのか？
ただし、現実的に言えば、こうした“グレー”なビジネスが完全に消える日はまだ遠いでしょう。
なぜなら、それを「求めてしまう人」が存在するからです。
最近の世の中は、自分だけの尺度で「これは正しい」「これは間違いだ」と断じてしまう風潮が強くなっているように感じます。
しかし、現実の社会にはいろんな考え方、いろんな趣味、いろんな生き方が存在します。
誰かを傷つけず、お互いが納得して成り立っている関係であれば、
風俗業もまた、社会の一つの必要な仕組みなのではないか――そう思うこともあります。
多くの場合、そこには孤独や寂しさ、誰かとのつながりを求める気持ちがあります。
社会が便利になる一方で、人との距離は広がり、誰にも触れられずに日々を過ごす男性が増えている――これは確かに現代日本の一面です。
そして、お金が無くて手っ取り早くお金を稼ぎたい女性には、デメリットの方が多い気はしますが「お金を稼ぐ」という点にだけ着目すればこのビジネスは
「非常に有効な手段の一つであると言わざるを得ない」のも事実・・・
「そんなものはいらない」と言い切るのは簡単ですが、性欲は食欲・睡眠欲と並ぶ三大欲求の一つ。
人間の根源的な欲求を否定することはできません。（だって、結婚しない（できない？）人たちが増えている世の中なので・・・・）
★ 2020年（令和2年）の国勢調査によると、生涯未婚率は 男性：約28.3%（約3.5人に1人） 女性：約17.8%（約5.6人に1人）となっています。
では、どうすれば良いのか？
もし「なくすこと」が難しいのであれば、ルールの中で認めるという発想も必要かもしれません。
いっそ、富山にも「性産業特区」といった枠組みを設け、きちんと許認可を得た上で営業を認める。
税収も管理も透明化でき、闇ビジネスを減らすことができます。
結果的に、性犯罪や反社会的勢力の資金源も断てる可能性がある。
もちろん潔癖な方には受け入れがたい話かもしれません。
しかし、そこで働く人・利用する人、それぞれに「救われる事情」があるのも事実です。
社会がそれを“見ないふり”をする限り、地下に潜り、より見えない形で広がっていくでしょう。
もちろん私は――
愛する妻がいますので、そういう所には近づきもしませんけどね💦（笑）
でも、不動産業界にいる者として、
「人の孤独」や「社会の陰」にも目を向けることが、
結果的に健全な取引と、安全な街づくりにつながると信じています。
ViVi不動産株式会社はこれからも
“透明で、公正で、そして人間らしい社会”を目指して、
地域に根差した取り組みを続けていきます。
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（2025年１０月１８日）
ViVi不動産株式会社 矢郷修治
