遺書と遺言の違い 混同がもたらす誤解と抵抗感
皆さんは「遺書」と「遺言」の違いをご存じでしょうか。
言葉としては似ていますが、実は法律的な意味や役割がまったく異なります。
遺書とは
一般的に「遺書」とは、自分の思いを家族や友人に伝えるための手紙のようなものです。
「ありがとう」「ごめんね」といった感謝や謝罪、人生を振り返る言葉が書かれることが多く、法的な効力は基本的に持ちません。
遺言とは
一方「遺言」は、法律で認められた手続きに則って作成することで、財産の分け方などに法的効力を持つ文書です。
特に不動産の相続では、遺言があるかどうかで手続きのスピードや家族間のトラブル回避に大きな差が出ます。
混同が生む誤解と抵抗感
よくあるのが「遺言を書いたら縁起でもない」「まだそんな歳じゃない」という反応です。
それを言われるのが怖くて言い出せないというお子さんも多いことでしょう。
これは「遺言=死を前提とした重苦しい遺書」という誤解から来ています。
しかし実際には、遺言は将来の家族を守るための準備であり、むしろ前向きな行動です。
きちんとした遺言があれば、相続の場面でご家族が余計な負担を背負うことなく、円満に手続きが進められます。
不動産と遺言の関係
不動産は預貯金と違って「分けにくい財産」です。
誰が相続するかが曖昧なままでは、売却などの有効活用ができずに手続きが止まって数年間空き家の状態になって朽ちていくケースも多く見てきました。
だからこそ、不動産をお持ちの方にとって遺言は「家族への思いやり」そのものだと感じます。
「遺書」は想いを残すもの、「遺言」は家族を守るもの。
「遺書」は想いを残すものであり、「遺言」は家族を守るものとなります。
この違いを知るだけで、抵抗感はぐっと減り、準備の第一歩が踏み出せるはずです。
ポイントとしては、3つ
① 上から目線で言わない
「親に言ってやろう」という姿勢ではなく、あくまで家族の一員として一緒に考えたいというスタンスが大切です。
「親の老後や財産を管理してやる」という調子になると抵抗感が強まります。
「お父さん・お母さんが元気なうちに、一緒に準備しておけると安心だよね」と、寄り添う気持ちを言葉や態度で示すことが信頼につながります。
② 自分自身が遺言を書いて見せる
「親にだけやってほしい」と言うより、まず自分が遺言を作成してみる姿勢が効果的です。
「実は自分も遺言を書いてみたんだ。家族のために、って考えると自然にできたよ」と共有すると、親も「そんなに大げさじゃないんだな」と感じやすくなります。
自分の実体験を示すことで、説得ではなく共感の流れをつくるのがポイントです。
③ 兄弟全員で話す
一人だけが親に切り出すと「お前だけが得をしたいのでは?」と誤解される可能性があります。
そこで、兄弟姉妹全員で同じテーブルにつき、共通の思いとして話すことが大事です。
「誰か一人が言い出したことではない」という安心感を与えられ、親も冷静に受け止めやすくなります。
同じ立場の兄弟同士が事前に話を合わせておくと、親への説得力がぐっと高まります。
私たちViVi不動産では、不動産の売却や承継のご相談の際に、こうした相続準備のお話もさせていただいています。
大切な資産を次の世代につなぐために、一度立ち止まって「遺言」について考えてみてはいかがですか??
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(2025年9月28日)
ViVi不動産株式会社 矢郷修治