皇居に本籍!?
本籍人口21万人超えの千代田区に見る”住所”の新たな価値とは?
こんにちは。ViVi不動産株式会社の矢郷です。
今回は、私たち不動産業界にとっても実に興味深い、”本籍”というテーマを扱いたいと思います。
先日ニュースにもなっていましたが、
今、首都・東京のど真ん中にある千代田区が全国的に注目を集めています。
その理由は、住民数約6万8000人に対し、本籍人口がなんと約21万3000人という驚きの数字。そして本籍地として最も人気があるのが、なんとあの千代田区千代田1番の「皇居」なのです。(指定する場所に特に決まりはなく、実在する地番であれば日本中どこを指定してもいいという制度が影響しています。) そのせいで千代田区役所は全国から確認の電話が鳴りやまず事務の処理が追いつかずパンク状態なんだとか・・・
一見すると不動産とは無関係に思えるこの話題。しかし、”住所の意味”や”場所が持つブランド価値”、さらには”記憶に残る場所選び”という点で、不動産業とも深く関わってくる要素が散りばめられています。
この記事では、今なぜ皇居に本籍を置く人が増えているのか、その社会的背景と共に、不動産的な視点からこの現象を紐解いていきたいと思います。
本籍地とは?:自由に選べる「記憶の拠点」
まず、本籍地について簡単におさらいしましょう。本籍とは、日本の戸籍法における戸籍の“所在地”のこと。住民票の「住所」とは異なり、実際に住んでいなくても、実在する地番や住居表示があれば全国どこでも自由に設定できます。
つまり、ある意味「人生の節目に選ぶ特別な住所」と言えるのです。
結婚や離婚、出生などで新たに戸籍を作る際に本籍地を指定する必要がありますが、その際、象徴的な意味を込めて特別な場所を選ぶ人が増えてきているのです。(ニュースや新聞記事にしてしまったら、それを面白がってさらに皇居を本籍に選択してしまう人が増えてしまう気もしますが・・・・)
皇居・東京駅・丸ビル…選ばれる”象徴的な住所”
千代田区役所によれば、今や皇居に本籍を置く人は約3000人。これは本籍地としては全国最多です。人気の理由はシンプルで、「縁起が良さそう」「忘れにくい」「唯一無二の住所」など。
実際、「東京都千代田区千代田1番」の「皇居」は非常にインパクトがありますよね。他にも東京駅(丸の内一丁目9番)や丸ビル、東京ディズニーランドなども本籍地として人気があり、こうした“象徴的な住所”が求められる傾向は、まさにブランディング志向の現れとも言えるでしょう。
ここで不動産業界の視点を入れて考えてみましょう。
住所=ブランド化する”地名”の価値
私たち不動産業者が物件を紹介する際、「中心部の○○エリア」「富山駅から徒歩圏の〇〇〇丁目」などの住所が持つ印象は非常に大きな影響を及ぼします。
東京では、港区南青山、渋谷区広尾、世田谷区成城──こうした地名には、単なる立地情報を超えた“ステータス性”が含まれています。
これは、単に交通の便や教育環境の良さといった実用的な指標だけでなく、「その住所に住んでいる自分がどう見られるか」という“自意識”や“承認欲求”にも関わる話です。
つまり、今回の「皇居を本籍にする人が急増」という現象も、実際に住むわけではないけれど、「特別な場所に自分のルーツを置きたい」という、同じブランド志向の延長線上にあると考えられます。
デジタル化が加速させた”本籍の自由化”
2024年の戸籍法改正により、全国どこの役所でも戸籍謄本を取り寄せられるようになったことが、この現象に拍車をかけました。
以前は、本籍を遠方に設定すると、戸籍の取得が大変でした。しかし今では、住んでいる場所と本籍地が離れていても何ら不便はありません。
この「制度のデジタル化」が、物理的な利便性よりも「象徴性」や「思い出」を重視する人々の選択を後押ししています。
これは今後、住居選びや不動産購入の志向にも影響を与える可能性があるでしょう。
不動産屋の提案力が試される時代へ
「本籍は好きな場所でいい」
この事実は、多くの人にとって「住所」そのものへの見方を変えるきっかけになります。
すると、不動産を購入・賃貸する際も、単なる利便性や価格だけでなく、「この住所を名刺に書いたら自分の価値が上がる?」「この地名が自分の履歴に残るとしたらかっこいい?」という“象徴的価値”を気にする層が増えてくるでしょう。
こうした時代背景を踏まえると、私たち不動産営業マンには、「物件+地名のブランディング」を説明する力がますます重要になってきます。
本籍から考える”土地”と”記憶”の関係性
最後に少し哲学的な話を。
「本籍」とは、住んでいないけど、戸籍上の“自分の根っこ”を記す場所です。
この発想をもっと広げてみれば、不動産という“土地”には、「物理的な空間」だけでなく「人生の記憶」や「物語」を宿す力がある、ということになります。
家を買う、土地を選ぶ──これは単なる資産形成だけでなく、「ここでどう生きたいか」「どんな記憶を刻みたいか」という、よりパーソナルな選択であるべきなのかもしれません。
まとめ
皇居に本籍を置く人が増えているという一見ユニークな現象は、住所の象徴的価値、個人のブランディング、そして不動産における地名の意味など、非常に示唆に富んでいます。
今後、不動産業界においても「どんな家に住むか」だけでなく、「どんな住所に人生を紐づけるか」という視点が、ますます求められていくことでしょう。
現代において、戸籍の「本籍地」は日本国内の実在する住所であれば、どこでも自由に設定できるという制度だということが分かって頂けましたか?
これは、かつて家制度が重視されていた時代の名残ですが、今や実際に住んでいなくても「象徴的な場所」として選ばれることが増えてしまっています。
特に皇居や東京駅などが人気なのは、「特別な場所に自分のルーツを置きたい」という個人の想いや記念性が反映されているからです。
しかしその一方で、制度的な意義や行政負担とのバランスをどう取るかという課題も浮き彫りになっています。
(縁もゆかりもないところを自分の本籍にできてしまうのはどう考えても意味がないですよね(笑))
デジタル化が進む今、本籍地の意味や存在意義を改めて見直す時期に来ているのかもしれませんね。
(私のブログを見てくださっている人は、本籍は自分の縁のあるところに設定する良識のある方ばかりだと私は信じています! 千代田区役所さんをこれ以上困らせないであげてください。)
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令和7年3月29日
ViVi不動産株式会社 矢郷修治