「囲い込み問題の実態:信頼される不動産業界を目指して」 残念ながら富山市でも・・・・
はじめに
もうこのブログで何度も紹介しているので、辟易としている方もいるかもしれないのですが、不動産業界における「囲い込み」という行為をご存知でしょうか?
これは売主様から大切な不動産の売却を任されたのにもかかわらず、その会社が自社の利益優先で情報を独占し、他社からの紹介を拒むことで市場全体の流通を妨げる不当な行為です。
こうした行為は、売主様の利益を損ない、不動産業界全体の信頼を揺るがします。
しかも、この問題に関与しているのは小規模な業者だけではありません。週刊誌で大きな特集になるほど、大手不動産会社も関わっているという事実があるのです。
大手不動産会社も行う囲い込みの実態
囲い込み問題が浮き彫りになったのは、過去に大手不動産会社が週刊誌で取り上げられた事例です。(「週刊ダイヤモンド」(2015年4月11日号)の特集『住友不動産“非常識経営”の功罪』では、住友不動産販売の連結子会社で不動産仲介事業を行う住友不動産販売が“囲い込み”を行っている事実を明らかにしていました。)
囲い込みをしている会社は売主様の物件を市場から隔離し、他社への情報提供を拒否。さらに、虚偽の申し込み情報を使って競合を排除するという手法を取ります。
売主様は「業界大手だから安心」と考え、この会社を選んだにもかかわらず、不透明な取引の結果、希望通りの価格、希望通りの期間で売却が叶わなかったケースが多発しています。
不動産会社選びの注意点
新築時にマンションを販売した会社のグループの不動産会社だからといって、売却時もそのグループ会社に任せれば安心だと思うのは早計です。
購入と売却では不動産会社に求められるスキルや取り組みが異なります。 また、大手だからといって先ほど申し上げたように必ずしも誠実な取引を行うわけではありません。
不動産会社を選ぶ際には以下の点を確認することが重要です:
- レインズへの登録状況
売却物件が適切にレインズに登録されているかを確認しましょう。 売却がスタートしたらレインズ登録証を発行してくれる不動産会社なら一安心です! - 過去の取引実績と評判
ネットの口コミや知人からの紹介を活用して、実際の対応や成果について調べることが大切です。 - 透明性のある取引を行うかどうか
契約前に、情報共有の方針や囲い込み防止に対する姿勢を確認しましょう。 - 1社だけではなく2~3社に査定依頼をする
何社にも相談していることが分かれば、自分以外の不動産のプロが介在しているので、変なことをしたらその他の会社から売主様に報告されてしまうので下手なことはしなくなります。
売主様の気持ちや利益を無視した囲い込み行為
つい先日もお住み替えで富山市のマンションをを早く売却したいという売主様からご相談がありまして、よくよく聞くと、
思いっ切り大手不動産会社に「囲い込み」をされていました。
お住み替えの場合は今まで住んでいたマンションと新しいお家の住宅ローンが二重にあるので、早く売却したいし、銀行からも期限を設けられているので売主様としては一刻も早く売らないといけません。
そんな売主様の切実な気持ちを知りながらも、売主様の利益よりも会社の利益を優先し、業者間ネットワーク「レインズ」にも掲載せず、問い合わせしても、我々他の不動産会社には「申し込みが入っているので案内できません!」と嘘を付いてそのマンションを紹介しないという、明らかな「囲い込み」を平気で行う不動産業者がいまだに存在します。
(それもその会社、全国に支店のある不動産会社なんです・・・・)
囲い込みをされ続けた結果、売却期限が迫った段階で「売れない!どうしよう??」と、焦らされた売主様は、その不動産会社からの低価格での買い取り提案を受け入れざるを得ない状況に追い込まれるという図式です。 これは業界全体の信用を大きく損なう行為です。(残念ながら、「囲い込み」に気づける売主様はごくわずかです。)
消費者保護委員会委員長としての立場から
私は、現在、富山県宅建協会の消費者保護委員会の委員長をさせて頂いているので、こうした不正行為を見るたびに同業者としてとても恥ずかしくなりますし、
見過ごすわけにはいきません。
本年度から「囲い込み行為」には罰則が設けられましたが、依然として違反事例が後を絶ちません。この問題を解決するには、業界全体の意識改革が必要です。
信頼できる不動産取引のために
業界の透明性を高めるため、以下の取り組みを強化する必要があります:
- レインズの活用と登録の徹底
- 倫理教育の強化
- 罰則の厳格化と違反者の公開
売主様が安心して取引できるよう、不動産業界の透明性と信頼性を向上させる努力を私は惜しみません。
まとめ
不動産会社選びは、売却を成功させる鍵を握る重要なステップです。「大手だからきっと大丈夫」という安易な判断ではなく、会社の実績や透明性と姿勢、担当者の人間性をしっかりと確認することが必要です。不動産業界全体が信頼される未来を目指して、私たちはこれからも取り組んでいきます。
皆様からのご意見をお待ちしております。
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令和7年1月19日
ViVi不動産株式会社
矢郷修治