勝手な言い分 売主様はこのこと知っているのかなぁ？？
先日、不動産会社S社さんの取り扱っているマンションに、当社のお客様をご案内しようとして鍵をお預かりしたら、その時にS社さんの担当者さんから、
「この物件は売主様から仲介手数料２％しかもらえないんです。 なので、御社が買主さんから頂く仲介手数料３％だと思いますので、その二つを足して２で割ったものをそれぞれ分かち合いましょう」とのお話し。
えっ？？？ 売主様とS社さんで勝手に取り決めた仲介手数料のお話しに、なぜ買主様側の会社が協力しないといけないのでしょうか？？？
とても勝手な言い分です。 但し、当社の買主様にはなんの関係もないお話しですので、文句を言いたかったのですが、とりあえず、そこはぐっとこらえて、今回は当社のお客様のために案内しました。
売主様は２％の仲介手数料にしてもらって、得したぁ！ なんて、思ってるかもしれませんが、実は大間違い！！
当社のお客様が、このマンションを気に入って、申し込みをして下さった場合、
S社さんの申し出を今回だけは我慢しようと思っていますが、それを万一当社が拒否した場合、そのために、このお話が無くなってしまうこともあり得ます。
（他の不動産会社の多くはそうするでしょうね！）
今後、多くの買主様側の仲介業者には、次のような心理が生まれます。
同じ金額のマンションの売買のお手伝いしているのに、このマンションを決めた時だけ、仲介手数料の一部を、売主側仲介会社の勝手な言い分のせいで、搾取されてしまう。 そんなんだったら、他のマンションを先に案内して、できる限りこのマンションは紹介しないで、他で決めたほうがいい！ つまりこの物件はやめた方がいいですよ！と案内時に営業マンがお客様に伝えるようになり、単なる比較物件と化してしまう。
そればかりか、このS社さんは、身勝手なことばかり言う会社かもしれない。 今後はこの会社の不動産情報は紹介するのは出来る限りやめよう。
今後こんな勝手な言い分を平気で投げかけてくるこの会社さんとは、多くの不動産会社さんが距離を置くようになります。
つまり、この会社に依頼した不動産は、とても売れにくくなってしまうということになります。
仲介手数料を大幅に割引するのには、必ず理由があります。
ほとんどの理由はこれ！
・HPや売却のためのツールが貧弱で、仲介手数料の割引でしか他の不動産会社と差別化を図れないから！
・そのエリアでの不動産の販売に自信がないから！（県外の大手不動産会社によく見受けられます。 受けたはいいけど、地元の会社にまかせっきり）
・広告料にお金をかけていないから！
売主様と売主側不動産会社との間で、仲介手数料の割引交渉をするのは、自由です。 でも１０～２０万円仲介手数料安くしてもらっても、本当はもっと高く売れたのにも関わらず、上記に書いたような、理由や他業者の思惑などのせいで、手数料の割引額以上に安くなってしまって結局は売主様が大きく損をすることになってしまう可能性が大！（仲介手数料を大幅に割り引く会社の心理は、手数料が安くなった分、他社を介さず自社で決めようとする傾向が強くなるため、いわゆる「囲い込み」（情報の秘匿）が起きたり、囲い込みはしないでも、広告料をかけたくないので、大幅な値引きで早期に決着をつけてしまおうとする傾向があります。）
不動産会社選びは、仲介手数料を割引いてくれるかどうかではなく、知識を持った営業マンとシステムをしっかり持っている会社が、どんな戦略で、どんな広告媒体を使って、どれくらい広告をして、その不動産のいいところを全力でアピールして、買主様を見つけてくれるかどうか！で選ぶべきです。
ちなみに、当社もお知り合いの売主様などに仲介手数料を割り引くときはありますが、割り引いたからと言って、買主様側の仲介会社さんに、その割り引いた半分を負担しろ！なんて、売却に悪影響（他の不動産会社が、その不動産をお客さんに紹介してくれなくなる）を及ぼすことは絶対に言いません！！ 自社の利益も大事ですが、任された不動産を時には他社様にご協力をしてもらって、売却することもすごく大事なのですから！
令和元年５月２５日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治
