収益事業で「稼ぐマンション」への転換:戦略と具体的アプローチ
最近の富山市のマンションは資材が高騰していることも有って修繕積立金がどんどん高騰しています。 マンションの維持管理のためには必要なお金とはいえあまりに高くなりすぎると生活に支障も出るし、売却する時に、「毎月の維持費の高さ」が足かせとなって資産価値が下がる(売却価格が安くなってしまう)ことになりかねません。
現代のマンション経営では、単にコストを管理し削減するだけではなく、積極的に収益化を図ることが求められています。
富山市のマンションではまだまだ少ないのですが、今回は、マンションの収益化戦略と、その具体的な方法について詳しく掘り下げたいと思います。
マンションの収益化:多様なアプローチ
マンションの収益化とは、マンションの共有スペースや設備を活用して新たな収入源を生み出すことです。これにはいくつかの方法があり、それぞれに合意形成のプロセスが必要ですが、適切に実施すれば管理費や修繕積立金の増加を防ぎ、さらには資産価値を向上させることが可能です。
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広告スペースの貸出 マンションの一部を広告スペースとして貸し出すことは、都市部のマンションでは特に効果的です。 屋上はもちろんの事、エントランスやエレベーター周り、駐車場の壁など、目につきやすい場所に広告を設置します。広告収入は比較的安定しており、契約に基づく定期的な収入が見込めます。
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通信基地局の設置 屋上や特定の階の空きスペースを通信会社に貸し出し、携帯電話の基地局として利用してもらうことで収入を得ることができます。これには技術的な評価や、居住者との合意形成が重要となりますが、長期的に安定した収入源になり得ます。
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駐車場のサブリース 自動車保有率の減少により、使われなくなった駐車スペースを他の車所有者や近隣の事業所にサブリースすることが可能です。この方法は、駐車場の稼働率を上げ、空きスペースが収益を生む資源に変わります。
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施設の貸し出し ゲストルームや会議室、パーティースペースなど、マンション内の共用施設を外部のグループや個人に貸し出すことで収入を得ることができます。イベントや会議など、一時的な使用には理想的で、特に中心部のマンションで需要があります
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太陽光発電システム 分譲マンションの屋上に太陽光発電システムを設置することは、持続可能なエネルギー源を利用してエネルギーコストを削減し、環境に優しい選択を行う方法の一つです。 マンションの屋上は日照が豊富で障害物が少ないため、太陽光発電に適しています。
メリット
- エネルギーコストの削減:自家発電により、電力会社からの電力購入量が減少し、共用部分の電気料金が節約できます。
- 環境への貢献:化石燃料を使わずにクリーンなエネルギーを生産するため、CO2排出量の削減に貢献します。
- 電力の安定供給:災害時などでの停電時でも、一定の電力供給が期待できる場合があります。
- 不動産価値の向上:エコフレンドリーな設備は物件の魅力を高め、将来的に不動産価値を上げる可能性があります。
デメリット
- 初期投資費用が高い:設置には高額な初期費用が必要となります。
- メンテナンスの必要性:定期的な清掃や点検が必要であり、そのためのコストも考慮する必要があります。
- 設置スペースの制約:屋上のスペースに限りがあるため、発電量にも限界があります。
- 日照条件に左右される:天候や季節によって発電効率が変動します。
#全国でも最も電気料金が高いと言われる北陸地方においては個人的にはこれが一番良いと思っています。 広告主を探す必要もありませんし、なんてったて「エコ」ですからね。 蓄電池設置すればなお良しです。
税務申告の必要性
収益化により追加収入を得ることで、マンションの管理組合は税務申告の必要が生じます。 この収入はマンションの管理組合の収益として扱われ、必要に応じて法人税の申告を行う必要があります。収益化プロジェクトを計画する際は、税理士との相談をお勧めします。これにより、税務処理が適切に行われ、税務署とのトラブルを事前に避けることができます。
実施に向けての考慮事項
これらの収益化戦略を実行に移す前に、いくつかの重要なステップが必要です。
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合意形成と法的検討 収益事業を始める前に、住民全員の合意を得ることが必要です。これには透明性の高い情報提供と、住民が持つ疑問に対する明確な答えが求められます。また、契約や法律に関する専門家の意見を聞き、全てのプロセスが法的に適切であることを保証することも重要です。
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市場調査と価格設定 収益事業を行う際には、市場価格を調査し、適切な価格設定を行うことが必須です。市場と競合を理解し、適正な価格でサービスを提供することで、長期的な成功が期待できます。
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管理と運営の体制整備 収益事業は追加の管理業務を発生させるため、これを担う体制を整える必要があります。適切な管理と運営が行われない場合、収益化の努力が無駄に終わる可能性もあります。
「稼ぐマンション」として成功を収めるためには、これらの戦略的アプローチと適切な管理が不可欠です。 マンションの管理会社は事務処理が面倒になるので導入には難色を示すかもしれません・・・・・が、マンション組合がこれらの点をしっかりと理解し、実行に移すことで、長期的に安定した収益を確保し、マンションの資産価値を保護することができます。
富山ではまだまだ少ない分譲マンションの収益化事業。 取り組む管理組合が少ない今がチャンスです。
修繕積立金の高騰に悩んでいる管理組合さんは検討してみる価値はあると思いますよ!
令和6年4月21日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治