社長ブログ

売上159%アップ! 「対立」ではなく「協調」が大切

こんなニュースが有りました。
プロ野球チームの「日本ハムファイターズ」が移転して、開業1年目に346万人が訪れた北海道ボールパークFビレッジ。 
開業1年目の売り上げ、Fビレッジの要となるエスコンフィールド北海道の売り上げは251億円となり、札幌ドーム時代のコロナ前の2019年と比べると、93億円の増収となりました。  なんと159%UP!! (新球場には総額600億円が投資されたそうですが、このままいけば早々に回収できそうです。)  
売り上げの柱となる広告収入のほか、グッズ購入や試合がない日の来場者による飲食の収入などが、営業利益を押し上げたということです。 
以上
さて、日本ハムが札幌ドームから北海道北広島市の新球場に移転をする10年以上前から札幌ドームに不満を持っていた紆余曲折の末に移転したのはご存知ですか?

さて、今回は札幌ドームと日本ハムファイターズ(日ハム)のちょっとしたドラマ(?)について話してみたいと思います。この話、実はかなり興味深く、我々経営者にとってはすごく教訓になります。

 

札幌ドームを運営しているのは札幌市がバックにいる株式会社札幌ドーム。この会社、日ハムから年間でざっと20億円以上ものお金をもらっていました。

 

売店など付帯施設からの収入も球団には入らず、これも球場側の収入となっていました。

札幌ドームに最も貢献している日ハムにはあまり面白くありません。

 

日ハムが「ちょっと値下げしてよ」と頼んでも、札幌市は「うーん、ダメですね」とばかりに逆に値上げ。

これにはさすがの日ハムも困り果ててしまったわけです。

 

そして、日ハムはもっとコストを抑えようと、「他の球団もやってるし、公共施設の運営を民間企業に任せるっていう指定管理者制度を使わない?」と札幌市に提案しました。

 

でも、札幌市はこれも拒否。

 

なぜかというと、札幌ドームの運営は市職員や幹部にとっては、もう、天下りの聖地みたいなもの。

そこを手放すわけにはいかなかったんです。

(ちなみに、「6大ドーム」と言われるうちの、札幌ドームを除く5つのドーム(東京ドーム、大阪ドーム、ナゴヤドーム、福岡ドーム、そして埼玉の西武ドーム)は、いずれも全て自治体による所有ではなく、民間事業者による所有と経営で成り立っています。) 

 

地元のメディア関係者によると、「札幌ドームを使えなくなって困るのは日ハム側」と高をくくってたようです。。

 

でも、実際はそんなに単純じゃなかった。経営努力を怠って、日ハムの要望に耳を貸さないでいると、最終的にはツケが回ってきてしまいました。  

天下り職員は、自分が在籍している時に、現在の札幌ドームの収益が下がると格好悪い! と、自分のメンツを守るためだけに強硬な姿勢を崩さなかったのでしょうか?? (天下りの方々は、経営は素人! 札幌ドームが将来赤字になろうが税金で補填すればいいと思っているのかも? どうなっても、自分の懐は痛みませんからね。 可哀そうなのは札幌市民の方々・・・。)

この一連のやり取り、実は不動産ビジネスにとっても大事なポイントがいくつかあります。

 

まず、テナントや居住者(この場合は日ハム)との良好な関係を保つことの重要性。

そして、時には柔軟に対応する姿勢(改装や値下げなど)も必要だということ。

 

自分たちの立場ばかりを優先していると、いずれ大きな代償を払うことになるかもしれません。

 

札幌ドームの例を見ると、最終的に日ハムは札幌市に隣接する北広島市に新球場を建設することになりました。

 

これは、札幌市が彼らの要望に対して柔軟に対応できなかった結果です。

 

我々民間の経営者は、天下りの方々の様な采配をしてしまうことは、会社を倒産に導くので選択しないでしょうが、

この事例から「お互いの利益を考え、良好な関係を保つことの大切さ」を学ぶべきかもしれません。

 

結局のところ、ビジネスはお互いがWin-Winの関係を築けるかどうかが大切。 「対立」ではなく「協調」なんですね。

 

札幌ドームと日ハムの話からは、そんな教訓が見えてくるんじゃないかなと思います。

 

私もどちらかというと、保守的に立ち回るのではなく、新しいことにガンガン踏み出すのが好きなタイプ! 
この一件が有ってからは、日ハムを応援するようになりました。  近いうちに「エスコンフィールド」見てこようかな?

令和6年3月4日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治