社長ブログ

「マンション標準管理委託契約書」および「マンション標準管理委託契約書コメント」の改訂

いつも当社のブログをお読みいただきましてありがとうございます。

 

今回は、2023年9月に実施された「マンション標準管理委託契約書」および「マンション標準管理委託契約書コメント」の改訂について、その背景、改訂内容、そしてそれがマンション管理業界や居住者に与える影響について書かせて頂きます。

 

5年ぶりのこの改訂は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、高齢化社会への対応、感染症拡大のリスク管理、そしてカスタマーハラスメントへの対策という、現代社会の要請に応える形で行われました。

 

デジタルトランスフォーメーションへの対応

改訂の目玉の一つは、DXへの対応策です。これにより、管理組合と管理会社間の書面の電子化や、総会・理事会をオンラインで実施することが可能になりました。

これは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、リモートワークやオンライン会議が普及したことを受けてのものです。

この変更により、管理組合は時間と場所に縛られずに意思決定を行うことができるようになり、管理会社も効率的な運営が可能となります。ただし、電子機器の提供やサーバー費用など、新たな費用負担が発生する可能性があり、これらの費用配分については、事前の明確な取り決めが必要です。

 

カスタマーハラスメントへの対策

もう一つの大きな改訂点は、カスタマーハラスメントに対する具体的な対策の導入です。管理員や清掃員への不当な要求、暴言、長時間の拘束など、これまで問題視されていた行為に対して、管理会社は毅然とした対応を取ることが求められます。 これにより、マンション管理の現場で働く人々の労働環境が改善されることが期待されます。

 

高齢化社会と感染症拡大への対応

高齢化社会への対応として、認知症患者の徘徊や孤独死などのケースを想定し、管理組合と管理会社間での通知システムを整備することが推奨されています。

また、感染症拡大のリスク管理においても、居住者と管理会社間のコミュニケーションを強化することで、早期の対応と感染拡大の防止が可能になります。

 

契約内容の明確化と個人情報保護

改訂では、管理業務の範囲や個人情報保護に関する規定も強化されました。これにより、管理会社と管理組合は契約内容をより明確にし、個人情報の取り扱いに関してもより厳格な基準を適用することが求められます。

 この変更は、透明性の高い管理体制を構築し、居住者の信頼を確保するために不可欠です。

特に、長期修繕計画や点検・検査・調査の記録の提供、管理員業務や清掃の内容に関する情報開示が強化されることで、マンションの長期的な価値維持に貢献します。

 

マンション管理の未来への影響

この改訂は、マンション管理業務の現代化と効率化を推進し、居住者の生活品質向上を図るものです。 デジタル化の推進により、管理組合の意思決定プロセスが迅速かつ効率的になり、カスタマーハラスメント対策によっては、働く人々の環境が改善されることで、より質の高いサービスが提供されるようになります。

また、高齢化社会への対応策や感染症拡大のリスク管理により、安心して暮らせる居住環境の維持・向上が期待できます。

 

まとめ

2023年の「マンション標準管理委託契約書」および「マンション標準管理委託契約書コメント」の改訂は、マンション管理業界にとって大きな転機です。デジタル化の進展、労働環境の改善、居住者の安全と利便性の向上といった、現代社会の多様な課題に対応するための重要なステップと言えるでしょう。管理組合、管理会社、居住者が共に協力し、これらの改訂内容を生かしていくことで、より良いマンション生活が実現されることを期待します。

 

この改訂がもたらす具体的な影響や、管理組合や管理会社が直面する課題、そしてそれに対する対策について、引き続き詳細な分析や情報提供を行い、マンション管理の未来に貢献していくことが私たちの使命です。今回の改訂を機に、管理業務の質の向上と、居住者の満足度の向上を目指して、業界全体が一層の努力を重ねていく必要があります。

 

#カスハラとは・・・・  「カスタマーハラスメント(カスハラ)」とは、顧客が企業に対して理不尽なクレーム・言動をすることをいいます。具体的には、事実無根の要求や法的な根拠のない要求、暴力的・侮辱的な方法による要求などがカスハラに当たります。

 

P.S マンション管理の世界にもカスハラが存在していたのは驚きです・・・・   先日、私も法務局で登記簿を調べてその所有者様にお手紙をお送りしたら、「不動産屋がわざわざ登記簿を調べて、手紙をお送りしたことが不愉快」だったらしく、電話がかかってきて、(70代位だと思われる所有者の男性)に15分近く説教をされてしまいました・・・  

その間、「バカヤロー」などの暴言を何度吐かれたことか。(笑)   プチ「カスハラ」ですね。  この方は、現状ではカスタマーではないですが・・・・

 

電話を受けたのが私で良かった・・・・  お伺いの手紙を送っただけなのに、激しく執拗なクレーム。

 

もしもスタッフが電話を受けていたらとても憂鬱な気分になったことでしょう。

当社も社員を守るために大手なんかで導入している「電話の応対品質向上のため録音を・・・・・」というスタッフ対応前に音声が流れるあのシステム導入検討中です。

 

お客様を大事にするという姿勢は重要です。

しかし、理不尽で、粗暴な言動を発するお客様の言いなりになっていては、それはそれで問題が発生してしまいますし、それに付き合っていたらスタッフが疲弊してしまいます。

当社は、一般のお客様とスタッフを守るために、「カスハラ」には毅然とした対応をしたいと思います。

 

令和6年2月2日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治