社長ブログ

不動産市場とバス路線の廃止・減便問題

不動産市場とバス路線の廃止・減便問題

 

はじめに: 皆さん、こんにちは。 ViVi不動産株式会社の矢郷です。

今日は、交通インフラの変化が不動産市場に及ぼす影響に焦点を当て、特に富山市の事例を取り上げてみたいと思います。バス路線の廃止や減便は、新型コロナウイルス禍の影響で全国的に進行しています。これにより、地域の生活や不動産価格に大きな影響が出ています。富山市のケースを通じて、この問題の深刻さを探っていきましょう。

 

バス路線の危機と富山市の実情: 全国のバス事業の約9割が赤字に陥っている現状は、富山市においても例外ではありません。2020年、2021年度と連続して1000億円を超す赤字が続出し、富山市内でもバス路線の見直しが進んでいます。この10年で廃止されたバス路線は1万5000キロにも及んでいるようです。

大きな原因は運転手不足。 その一番の理由は低賃金の実態があります。 バス運転手の年収は2022年に399万円と全産業平均(497万円)より2割少ない事が挙げられます。時間外労働規制に伴う「2024年問題」で人材の取り合いとなる大型トラック運転手の477万円よりも低賃金の実態となります。 これでは運転手不足は解決しませんね。

人手不足や赤字で、バスが減便になれば、さらに使いにくくなり、そのエリアの人は余計にバスを使わなくなる。 最後にはバス路線撤退と最悪の悪循環。

バス撤退による不動産価格の変化: 交通アクセスは不動産価格に直結する要素です。 富山は車の保有世帯が高い地域なので、首都圏程の影響は受けませんが、やはり郊外地域で電車もバスも使えないとなると、通勤や買い物などの日常生活が不便になりますので、不動産価格は多少の影響を受けてしまいます。 元々郊外はこれ以上下がりようがないくらい激安になってしまっているというお話もありますが。。。

コミュニティーバスの導入とその限界: 富山市では、バス路線の廃止を補うためにコミュニティーバスが導入されています(交通事業者と連携し、65歳以上の高齢者を対象に市内各地から中心市街地へ出かける際に公共交通利用料金を往復とも1回100円とする割引制度を実施している。<利用実績>高齢者の約24%がおでかけ定期券を所有し、1日平均2,821人が利用)が、その運行もまた運転手不足の影響を受けやすい状況です。 富山市内で運行されているコミュニティーバスは、地域住民にとって大切な足ですが、長期的な安定は保証されていないのが現実です。

ライドシェアの可能性と課題: バス路線の減便や廃止により、将来的にはライドシェアが重要な役割を果たす可能性があります。しかし、現状ではその普及には時間がかかることが予想されます。ライドシェアの普及が不動産価格に与える影響も、今後の大きな関心事となるでしょう。

#ライドシェア;一般のドライバーが自家用車を使って相乗りなどして有料で人を運ぶシステム

 

不動産購入をする際に、「駅から離れても良い」「田舎暮らしをしたい」いうシーンをコロナ禍では良く聞きました。

しかし、コロナが落ち着き、やはり不動産は「立地」にこだわり駅近、利便の良いエリアを好まれる傾向は否めません。  いつ減便したり路線が撤退するかわからないバスエリアよりも、15分に1本の割合で運行されている市電が使えるエリアが値段が高くても人気があるのは必然かもしれません。

 

AIの技術がさらに進み、自動運転をする車が当たり前になれば、バスの自動運転化が実現!  人間による「コミュニティーバス」、「ライドシェア」に頼らなくても誰もが郊外で生活が出来るようになるうので中心部や市電沿いにばかり人気が偏っているいびつな状態が解消されるかもしれないんですが、いつのことやら・・・・

 

令和6年1月25日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治