良い人過ぎると、調査が大変。
富山市のある場所で古家のある土地の売買を撒かせて頂きました。
所有者のお客様は、お父様からその不動産を相続しているので、その不動産の事はよくわからないとのこと。
広告開始するとすぐにお客様から申し込みが入りました。
下記のような角地の土地です。 富山市役所で調査をすると、南側は富山市道だけど、東側の道路状の土地は「通路」扱い。(つまり道路として認定されていないってことです。)
★図には東側私道と書いてありますが、通路の間違いです! 東側通路の奥に2件のお家が有ります。
東側の通路が「道路」として富山市に認定されていれば、道路は4m幅以上ないといけないことになっているので、道路の中心線から2mのところまで道路として提供する義務が発生します。(これを「セットバック」といいます。) セットバックとは?
何度も繰り返しになりますが、東側の通路は「道路」ではないので、今回の場合「セットバック」(今回の場合は通路幅が2.7mなのでセットバックする場合は65センチほど道路として提供する必要がある。)は必要ありません。 はずでした・・・・・・
担当者が、近隣の方と町内会の事なんかを聞き取りしていると、通路の奥に住んでいる方から
「今回売買する土地、セットバック必要なの分かってるよね?」とのお言葉が有ったそうです。
担当者は、「富山市は通路だって認定しいるのにそんなわけないだろうなぁ・・・・」と思いながらも、後ろのお家がここ数年で新しく建てられていることを疑問に思い、
念のため再度富山市で調査すると、なんと・・・・
今回の売主様の既に亡くなられたお父様が、東側の通路がそのままだと通路奥の二件のお家が再建築できないことを不憫に思い、自分は応じる必要も義務ないのに、
「土地を道路として提供することを無償で約束していた!」ことが判明。 それがあったから、奥の住宅は建物を新築することを富山市から許可されたとのことでした。
亡くなられたお父様は、なんて近所の人に優しいのでしょう・・・(この土地は奥行きが約30mありましたので約19㎡(5.7坪)もの土地を道路として提供することになるので約50~70万円の価値が失われることになります。)
普通に考えると、後ろの土地を所有する人は、お金を支払ってそこの道路部分の土地を買い取るべき案件です。(だって、そうしないと通路奥の土地は建物が建てられない無価値の土地になってしまうのですから!)
それを知らずに契約を進めていたらと思うとゾッとします。 近所の方への聞き取り、そして市役所や上下水道局での丁寧な調査の必要性を改めて感じるお取引でした。
現売主様にも、購入者様にも上記の内容をご説明し、ご納得の上で売買して頂きました。 めでたし!めでたし!
令和5年11月9日
ViVi不動産株式会社 矢郷修治