社長ブログ

いいがにしてあげっちゃ、任しとかれ!を気軽に使う人は信じられない。

富山弁で「いいがにしてあげっちゃ。(オラに)任しとかれ」という富山弁があります。

 

共通語に直すならば「良くなるようにしてあげるから、(私に)任せておいて」という意味です。

 

 

相続や不動産取引は、多くの人々にとって人生の重要な決断の一つです。

相続も不動産取引もい一般の方々にとっては日ごろ触れることのない難解な世界。 瑕疵とか、契約不適合責任とか、代襲相続とか遺留分の減殺請求などなど聞いたことの無い言葉を聞いていると、誰かにお任せして投げ出したくなります。

 

そんな時に、悪魔のささやき

「いいがにしてあげっちゃ。任しとかれ」

と、優しく言われてしまうと、ついついその言葉にほだされて、全てお任せしたくなってしまう気持ちはすご~~~く分かります。

 

でも、それを軽々しく言う人ほど、多くの場合において、相手方に対してではなく、そう言った本人にとって「いい様にしてしまう」事が多いのが事実。

そのため、富山弁で「いいがにしてあげっちゃ。任しとかれ」と軽々しく言う人々が、本当に信頼できる人物なのかどうかの見極めが重要となります。 

 

以下、その理由と事例、対処方法について解説します。

 

その理由

この言葉を軽々しく使う人々は、しばしば責任感が欠如している場合があります。

詳細は説明せず、「いいがにする」という6語だけで説明を済まそうとするなんてプロ意識も責任感も欠如しています。

(私にしてみれば、その相手方にとっての「いいが」が何かは分からないので、「お役に立てるかどうかは、まずは詳しくお話聞かせてください。」とヒアリングをする。 そしてその後に「〇〇〇のような形でしたらお助けできます。 費用はこれだけかかります。」と具体的に提案したうえでお任せいただきます。が通常しなければいけない流れです。)

 

特に不動産取引においては、この悪魔のささやきに容易に乗っかって、「全部お任せ」してしまわずに、細部に注意を払い、責任を持って取り組む必要があります。

例を挙げると、

ある不動産業者がこの言葉を使ってお客様に安心感を与えて安易に受託し、お客様も安易に任せてしまったケースがありました。

不動産業者はその不動産を断りもなく安値で売ってしまった上で、面倒だけど「しなければいけないこと」は放置して買主に引渡し。

お客様(売主様)が何度催促しても言い訳をして「のらりくらり」・・・・ ついに、その業者は約束を守らず、お客様(売主様)は大損失を被りました。

 

10年経過しても解決されずに、放置状態であることに困ったお客様は当社に助けを求め、それまでの損害に関しては

あきらめて頂くことを条件に、当社が解決させて頂いた事例がありました。

(個人情報保護のために詳細は伏せさせていただきます。)

 

対処方法

このように安易に「いいがにしてあげっちゃ!」という言葉を使う人々に対しては、以下の対処方法が有効です。

  1. 詳細な確認:   口頭だけでなく、具体的な計画や取り組みを詳細に確認し、それを書面にしてもらう。
  2. 契約書の活用:  書面にしてもらったものを、口約束に頼らず、契約書によって取引の内容を明確にする。
  3. 信頼できる第三者の意見の取得: その人に任せっきりではなく、専門家や信頼できる友人の意見を求める。

不動産取引においては、言葉だけでなく行動と責任感が求められます。富山弁で「いいがにしてあげっちゃ。任せとかれ」と言う人々に対しては、慎重に取引を進め、必要な対策を講じることが重要です。

 

詳細な説明や資料作成を軽んじる人は、仕事に関しても雑です。 信頼と誠実さが不動産取引の基本であることを忘れずに。

 

そして、最もこの言葉でトラブルが起きるのが「相続」

相続は、財産の分配や相続人間の関係など、複雑な問題が絡む場合が多いんです。

 

親族の中で相続に関して、まともな知識もないのに、「お金」にがめつい人が、

この心地よく感じてしまう、あくまのささやき富山弁バージョン

「いいがにしてあげっちゃ。任しとかれ」

という言葉を多用し、(親族なんだからきっと「いいがにしてくれるはず!」と考えがちな)他の善良な相続人を煙に巻き、自分の利益を最優先し、他の相続人の権利を無視することがあるため注意が必要です。

 

相談を受けた事例

  1. 不公平な分配: 親が亡くなって相続が起きた兄弟間において、長男が「いいがにしてあげっちゃ。 全部俺に任しとかれ」と言って相続の手続きを進めました。        しかし、彼は他の相続人に「め〇ら判」を押させ、その上で相続した不動産を知り合いに売却してその売却益を独り占めにしました。 その取引は不動産会社を通してないから、契約内容は杜撰極まりない。 引き渡し後も問題が山積み。 親族もトラブルに巻き込まれる。 結果、親族間での争いが起き、長い戦いに突入。 親族間の仲は冷え込んでしまいました。(めく〇判って、今では差別用語らしいのですが、それに代わる適切な言葉(適当判? 内容不確認押印?)が見つからなかったので、利用させて頂いています。)

 

 対処方法

このような状況においては、以下の対処方法が考えられます。

  • 全員での話し合い: 相続人全員での透明な話し合いを行い、共通の理解を築く。
  • 専門家の介入: 司法書士や税理士、弁護士などの専門家に相談し、公正な手続きを進める。 不動産の売却に関しては、手数料をケチらずに信頼できる不動産会社に依頼する。 (安い価格でしか取引されない不動産程、権利関係などが難しい物件が多いので、不動産会社を通すべきというのが持論です。)
  • 書面による確認: 口約束だけでなく、書面による確認を行う。                                 そして書面の内容は確認してから署名捺印するようにして、め〇ら判は押さない事

 

まとめ

相続においても、「いいがにしてあげっちゃ。任せとかれ」という言葉を使う人々に対しては慎重に対応する必要があります。

公正で透明な手続きを進め、自分でもちゃんと確認しながら必要に応じて専門家の意見を求めることで、後のトラブルを防ぐことができるでしょう。

 

つい先日、ボランティアで不動産無料相談会に参加させて頂いたときにそのような事例にいくつか出会いましたのでみなさんがそんなトラブルに巻き込まれないようにご紹介させて頂きました。

 

令和5年7月30日

ViVi不動産株式会社 矢郷