術数有り余って至誠足らず。上杉氏身を亡ぼす所以なり
富山市内限定の不動産売買仲介専門店「ViVi不動産株式会社」です。
不動産に関することを書くことが多いですが、それだけだと退屈（？）ですよね(笑)
旅行と歴史とビジネス関連の話も、いろいろ紹介したいと思います。
今回は幕末のヒーロー「坂本龍馬」さんの陰に隠れてしまった、悲運の人物をご紹介させて頂きます。 今回は「近藤長次郎」さんです。
「術数有り余って至誠足らず。上杉氏身を亡ぼす所以（ゆえん）なり」
☆上杉氏というのは近藤長次郎さんの別名が別名は「上杉宋次郎」だからです。 上の言葉は坂本龍馬が近藤長次郎さんの訃報に際して手帳に記した言葉です。
「近藤長次郎」って誰？？
「近藤長次郎」って誰？？ という方も多いと思います。 幕末で、近藤さんと言うと、「新選組の局長 近藤勇」さんの方が断然有名ですからね。
この近藤長次郎さん、子供のころから勉強が好きで、努力を怠らなかった秀才だったようです。 饅頭の行商をしながら常に本を持ち放さなかったという逸話が残っています。
だからあだ名は「饅頭屋長次郎」！
幕末の有名人の知り合いだらけ！
この方の親友があの有名な「坂本龍馬」さんです。 そして、あの三菱財閥を作った「岩崎弥太郎」さんに師事したり、勝海舟さんの門下生だったり。
トーマス・グラバーさんや山内容堂公にも気に入られたりして、誰もが知る有名人の方々と多岐にお付き合いがあった方です。
亀山社中の中心人物！
坂本龍馬さんが作った「亀山社中」（日本初の株式会社とも言われてますね。 のちに「海援隊」となります。）にもこの「近藤長次郎」さんが大きく関わっています。
商人気質で、商売上手だったらしく、龍馬に代わって、長州藩に銃を売ったり、船をイギリスから調達してあげたりと大活躍をします。
悲運？身から出た錆？
しかし、出来過ぎるがゆえに、調子に乗ってしまったのでしょうか・・・・？？
一説によると船の買い付けの成功をあたかも一人でやったかのような高慢な振る舞いがあり、亀山社中の中で、浮いた存在になってしまっていたようです。
それもあったのか、船（ユニオン号）を購入した時に「近藤長次郎」さんは、長州藩から多額の謝礼を受け取るのですが、そのお金を会社に入れることなく
懐に入れてしまい、そのお金でこっそりイギリスに留学しようと考えたのです。 あちゃ～～～。
それが、仲間たちにばれてしまいます。
亀山社中（海援隊）の社則に『およそ事大小となく相謀りてこれを行うべきは、社中の盟約に背く者は、割腹してその罪を謝する」
という、現代では考えられない恐ろしく過激なルールが存在していました。
「どんなことでもみんなで相談するものとする！ 自分の利益のために、このルールを破ったものは、「切腹」する。」っていう厳しすぎるルールです。 怖っ！
そのルールに基づいて、仲間から追いつめられ、近藤長次郎さんは、即刻切腹となってしまいました。（その時、親友の龍馬さんはその場にいなかったと言われています。）
切腹はやり過ぎなのかもしれませんが、ルールを破った人間は厳しく罰しなければ会社の運営に支障をきたすでしょうから仲間にとっても辛い決断だったのではないでしょうか・・・・
龍馬の言葉
その悲報を聞いた龍馬が自分の手帳に残した言葉がタイトルにある
「術数有り余って至誠足らず。上杉氏身を亡ぼす所以なり」です。
☆「術数」は、”はかりごと。たくらみ”という意味
現代訳すると、
「（周囲に黙って、自己の利益のために）「たくらみごと」を必要以上にしてしまって、誠実さが足らない。 上杉氏（近藤長次郎）が身を亡ぼす理由はそこにある！」
という感じでしょうか。 親友に対してはちょっと辛口すぎる気もしますが、以前より親友の行動に対して思うところがあったのでしょうね。
現代では切腹は無いけれど・・・
たまにニュースにもなりますが、横領罪や背任罪で捕まってしまう人達なんかがこれに該当するのでしょうね！
この社会「甘い誘惑」はいろんな床に転がっていますから・・・
現代では切腹は無いけれど、同じようなことをしたら日本においては、社会的に制裁が加えられて、その後が、とても生き辛くなってしまいます。
自分では上手く隠しているつもりでしょうが、自分の利益のために、会社や仲間を裏切ってしまう人は、それが癖になってしまっているので、どこかでそれがバレてしまいます。
バレていなくても、日常の行動でそれが見え隠れするので、周りの人たちも、その人を信じなくなるし、疎遠になっていきます。
最後は「身から出た錆」となり、最後にはそれが原因で自分を滅ぼしてしまうのです。
まとめ
皆さんは振り返ってみて大丈夫ですか？？ 私心なく行動できていますか？？
NHKの大河ドラマ「龍馬伝」ではこの近藤長次郎さんを俳優の大泉洋さんが演じていらっしゃいました。（ピッタリだなぁと思いながら見てました。）
福山雅治さんが大泉洋さんと龍馬伝以来13年ぶりにドラマ「ラストマン―全盲の捜査官―」で、共演するとニュースを見まして「近藤長次郎」さんの事を思い出した次第です。
今でも、「西郷隆盛」さん、「勝海舟」さん、「坂本龍馬」さんが名前が残っているのは、「私心なく、名もいらず、官位も金もいらぬ」の精神だったからです。
☆一般人の私は、ある程度のお金は家族の幸せのために必要だと思っていますけど・・・・(笑) それでも、「私心の無い」稼ぎ方を心がけています。
歴史から失敗を学びそれを生かしていかないといけませんね。
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令和５年２月２４日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治
