天国からのお「大」遣い
先日、富山市のある豪邸にお住まいだった所有者様がお引越しされましたので、残ったお荷物のお片付けのお手伝いを請け負わせて頂きました。
当社の一般的な流れとしては、いきなり残った荷物を撤去(捨てる)してしまうことはしません。
リサイクルショップさんを呼んで、買い取ってもらえるもの、無料だけど引き取ってもらえるものをまずは搬出していただいて、残ったもの片付ける(撤去する)ようにしています。
当社が今回お願いした会社は、リサイクルに関しては「バイキング」さん、荷物の撤去に関しては「寺下工業」さんにお願いしました。
片付け当日の午前10時に現地に集まり、お家の中の荷物を確認していると金庫が4つ出てきました。
所有者様に確認すると、「鍵もないし、番号も分からなかったので、あきらめました! 捨ててもらってもいいですよ!」とのお答えでした。
しか~~し、バイキングの西嶋社長が「これだけの歴史のあるお家だと金庫に何か入っている可能性高いです。所有者様のためにバールとか使ってこじ開けてみましょう!」
西嶋社長はとってもいい人間! 正直この流れは以前にも何回かありまして、何十分もかけて金庫を開けてみても空っぽということがほとんど。
それがわかっていても、所有者様のために念のためにこじ開けようとしてくれるのです。
力自慢の寺下工業池松さんと、バールを使って開け始めてくれました。 昔の金庫なので頑丈でなかなか扉が壊せません。
私は、次の約束があったので金庫こじ開け作業は二人に任せて、次の打ち合わせ場所へ向かいました。 お客様と打合せしていると西嶋社長から何度も何度も電話が!!
なにかトラブルがあったのかと、打ち合わせが終わってすぐに電話をすると・・・・・
「出てきましたぁ!!! すぐに来てください!」 と、興奮した様子でお電話が!
現場に戻ると、金庫がこじ開けられた状態でそのまま中身が入った状態になっていました。
西嶋社長「私が勝手に中身をいじって、後から疑われるのは嫌だったので・・・・ 金庫の中の封筒見てください! お札の束が見えてます!!」
私が中身を確認すると、100万円の束が3束も出てきました! 農協や名だたる会社の出資証券も見つかりました。
池松さん「捨てちゃわなくて良かったですねぇ ドキドキしました。 こうなったら、残り3つも開けなくてはいけないっすねぇ」と、池松さんまで興奮しています。
正直、こんなことは珍しいので、もう見つからないだろう?と私は思っていました。 が、しかしその考えは見事に裏切られます。
1時間後、「お~~~っ!」と、歓声があがりました!
3つ目の金庫からなんとまたまたお金発見! なんと100万円の束が二つ 200万円!! これで合計500万円も見つかりました。
これで終わりかなぁと思っていたら、またも驚かされます。
最後の金庫からは、金貨やインゴッド、記念硬貨がザックザク!発見! (あとから見積もりしてもらったら約300万円分ありました。)
つまり合計800万円ものお宝を発見したことになりました。 (所有者様にお聞きすると、お亡くなりになられたお父様が記念硬貨や金貨を集めるのがお好きだったとのこと!)
私は人に恵まれているなぁ。と思ったのは、バイキングさんや寺下工業さんのような信頼できる人たちと仕事が出来ている事。
あえて、私の前で金庫を開けずに、金庫を捨てたことにして、誰もいない所で金庫を開けるような業者さんもいてもおかしくは有りません。
それを、空振り覚悟で、あえてみんなの前で金庫を大変な苦労をして3時間もかかって開けてくれるのです。
(西嶋社長は、金庫をバールで4つも開けたので、最後腰を痛めておりました・・・・)
そして私が来るまで、金庫の中身に手を付けない真面目ぶり!! 信頼できる仲間がいるっていいですね。
発見した500万円と出資証券、金貨やインゴッド合計800万円以上は、すぐに所有者様にご連絡してご返却いたしました。 発見してくれた二人は、何のお礼もいらないと固辞していたのですが、売主様からのご厚意で、発見した記念硬貨の中からを好きなものを選んでもらって、二人にお渡ししました。(何も汗をかかなかった私も、所有者様のご厚意で外国銀貨いただいてしまいました!!! とてもいい記念になります。)
頂いた外国銀貨!
私は30年間不動産業界におりますが、今まで空き家から発見した金額の最高額は100万円(お風呂の天井裏から発見)でした!
それを一気に8倍も更新したことになります。 天国におられるお父様からの最後のお「小」遣いというよりも、お「大」遣いのお話でした。
令和4年10月18日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治