マンション管理計画認定制度
今年4月よりマンション管理計画認定制度という制度が開始されたのはご存じでしょうか??
マンションの管理組合が、自らのマンションの管理計画を、今後どのように推進して維持していくかを計画し、
都道府県等の長に提出し、一定の基準を満たすと認定された場合、都道府県等の長による認定を受けられる制度となっています。
これにより、認定を受けたマンションが市場で高評価されるなど、管理の適正化が推進されることが期待され管理基準の底上げにつながる。・・・であろうっていう制度です。
(フラット35の各種金利が安くなるメリットもあります。)
どうなんでしょうかね??? まだまだ富山の不動産業界では認知がなされていないように感じます。 管理会社も積極的に動いているのかな???? 申請費用は3万円弱なのでしておいて損はない制度だと思います。
しかしながら、自主管理のマンションなんかはこの制度を知る機会なんてないだろうし、知ったとしてもマンション管理組合の事務負担が増えるデメリットがあるので、この制度に応募しようなんて思わないのかも??? とも思ってしまいます。
(それでも国としては手をこまねいて見ているわけには行かないから動き出したので、不動産業者およびマンション管理士としては、それに少しでも協力したいと思っています。)
そんな中、板橋区のあるマンションが、全国で初めてマンション管理計画認定制度認定されました
高島平ハイツというマンションで、1974年に建築された築48年のマンションです。 現在の相場は 1坪当たり125万円前後 相場価格は2650万円から2780万円となっています。(やっぱり富山市とは相場が違いますね! 富山でしたら3分の1ぐらいの価格です。)
これからこのマンションの価格がどのように上がるのか?はたまた上がらないのか?がこの制度が定着するかどうかの試金石となります。
ただ、この制度に認定される基準は下記の通り
管理組合の運営
① 管理者等が定められていること。
② 監事が選任されていること。
③ 集会が年1回以上開催されていること。
管理規約
① 管理規約が作成されていること。
②マンションの適切な管理のため、管理規約において災害等の緊急
時や管理上必要なときの専有部の立ち入り、修繕等の履歴情報の
管理等について定められていること。
③マンションの管理状況に係る情報取得の円滑化のため、管理規約
において、管理組合の財務・管理に関する情報の書面の交付(又
は電磁的方法による提供)について定められていること。
管理組合の経理
①管理費、修繕積立金等について明確に区分して経理が行われてい
ること。
② 修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないこと。
③直前の事業年度の終了の日時点における修繕積立金の3か月以上
の滞納額が全体の1割以内であること。
⾧期修繕計画の
作成、見直し等
①⾧期修繕計画が「⾧期修繕計画標準様式」に準拠し作成され、⾧
期修繕計画の内容及びこれに基づき算定された修繕積立金額につ
いて集会にて決議されていること。
② ⾧期修繕計画の作成又は見直しが7年以内に行われていること。
③⾧期修繕計画の実効性を確保するため、計画期間が30 年以上で、
かつ、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれるように設
定されていること。
④⾧期修繕計画において将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定し
ていないこと。
⑤⾧期修繕計画の計画期間全体での修繕積立金の総額から算定され
た修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと。
⑥⾧期修繕計画の計画期間の最終年度において、借入金の残高のな
い⾧期修繕計画となっていること。
その他
①管理組合がマンションの区分所有者等への平常時における連絡に
加え、災害等の緊急時に迅速な対応を行うため、組合員名簿、居
住者名簿を備えているとともに、1年に1回以上は内容の確認を
行っていること。
②都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切なものであ
ること。
なるほど~~~ なんかしていて当たり前の事ばかりが書いてあります。 認定基準はマンションを適切に維持管理するうえで最低限の基準を定めているもののようですね!
逆にこれに認定されないマンションは怖くて買えません!
それよりもなによりも、私が最も改善して欲しいのは
新築マンションの初期の
「修繕積立金の設定」「駐車場料金の設定」
です。
新築マンションを販売する不動産会社さんの多くは、少しでも売りやすくするために
毎月かかる修繕積立金を最低限どころか、15年後に訪れる大規模修繕では不足することが確定していて途中で値上げすることが前提の設定をしてしまっています!
駐車場に関しても、1台目は無料!とか1台目1000円とか、駐車場収支だけ見ると赤字になる料金設定を平気でしてしまっています。(この低額設定を管理組合が後から変更するのは、ものすご~~~~く大変なのです。 (後から莫大な出費を負担させられるにも関わらず、)その安さに釣られて購入している人たちが、一定数存在してますので・・・)
中古マンションのこれからのために、マンション管理計画認定制度ももちろん重要ですが、入り口の部分にもちゃんと国土交通省は監視の目を光らせて欲しいと思うのでした。
令和4年7月23日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治