修繕積立金は高けりゃいいってもんじゃありません。
富山市のマンションを見てると、数年ごとに修繕積立金が毎月数千円、高いときには1万円程度値上げされています。
管理会社から、長期修繕計画を見せられて、「このままでは、大規模修繕の時にお金が足りなくなります! 大規模修繕工事をしないとマンションの価値が保てず売るときに値下がりしてしまいます。 今のうちに修繕積立金を値上げして準備しておきましょう!」って言葉に乗せられて値上げしているんでしょうが、本当にそうなのでしょうか????
富山市民の方々は、マンション管理に興味を持っている人がヒジョ~~~に少ない。 管理組合の総会を開催しても委任状を提出する人ばかりで出席者は世帯の2割いるかいないか・・・・ 原則、管理会社に任せっきり。
マンションの日々の修繕工事だって、管理会社が連れてきた工事業者さんの見積もり通りにOK出しちゃうから、修繕積立金はどんどん目減りしていきます。 大規模修繕工事だって、管理会社さんのグループの工事業者さん1社の見積もりしかとらないで進めてしまう。
ご存じの方もいるかもしれませんが、管理会社さんは工事業者さんから1割から2割程度のマージンを取っています。 それを無くせば大規模修繕工事が5千万円かかるとしたら、簡単に500万円から1000万円下がります。 相見積もりを取れば、さらに数百万円安くなる可能性があります。
それを、富山市の区分所有者の方々は、めんどくさいからでしょうけどなかなか自分たちではやろうとしない。 何も言わないことをいいことに管理会社は多めの金額で査定した長期修繕計画を作成して、「このままでは不足します」と積立金を値上げさせるのです。
数年から10年程度経過すると、多額の修繕積立金が貯まるので、その貯金の範囲内だったら、区分所有者の皆さんは、追加の費用負担さえなければ、許可することがほとんどなので、管理会社はその貯金額ぎりぎりまで工事をさせて、こっそり私腹を肥やすのです。
所有している区分所有者の方は気づいていないのでしょうが、修繕積立金の値上げによってマイナスポイントがもう一つあります。
それは、修繕積立金の値上げをすることによって、マンションの価値(価格)が下がる可能性があること。
マンションの購入する方の多くは住宅ローンを組みます。 その方々は、住宅ローンの支払いと併せて管理費や修繕積立金を支払うことになります。
住宅ローンや管理費や修繕積立金の支払いを、月々7万円までの支払いに収めたい人にとって、同程度、同立地のマンションで管理費等がそれぞれ毎月2万円と毎月3万円のマンションでは、住宅ローンに充てられる金額は引き算するとそれぞれ、毎月5万円と4万円となります。 ということは、借りることのできる住宅ローンの金額がおよそ400万円も変わってしまうのです。(金利0.35% 期間40年の場合)
これからマンションを購入する人にとってはこの1万円の差は大問題! ってことで、毎月3万円管理費等がかかるマンションは、(400万円も価値が下がるとは言いませんが、)毎月2万円の管理費等に比べるとどうしても売れにくくなり価格を100~200万円単位で下げざるを得ないことになりがちです。
高い修繕積立金を支払わせられている上に、売るときには、高い修繕積立金のせいで、マンションの価値まで落ちてしまうなんて、おかしいと思いませんか????
こんな事態を防ぐには、
・管理会社から修繕積立金の値上げを打診されたら、すぐにを出さず、中身をよ~~~~~く確認して、本当に必要なのかどうか吟味すること!
・大規模修繕工事のときは必ず相見積もりを取るなどして、管理会社に任せきりにしないこと。 その工事が本当に必要なのかどうかを専門家を交えて議論すること。
すでに値上がってしまった修繕積立金だって下げることは出来ますのであきらめる必要はありません。
富山市のいろいろなマンションを見ていると、管理会社にいいように操られているマンションが多く見受けられるので、ブログに書いてみました。
自分たちではどうしようもない! 助けて!! って言う場合は、富山県マンション管理士会に相談することをお勧めします!!
すでに富山市内で数件の改善事例があり、頼りになりますよ~~~!
令和3年7月19日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治