大規模修繕 18年周期に!
最近マンション業界で話題になっているのですが、マンションの大規模修繕工事の周期について!
いままでは、12年周期が当たり前のようになっていましたが、その周期を18年ほどに延長しようという話題です。
もともとこの12年周期というのは、国土交通省が長期修繕計画ガイドラインで参考値として出した目安の「12年」が一人歩きしたものだと思われます。
マンションが新築されたときに、作成された長期修繕計画は、基本に沿って作成されたものであり、建物の劣化状態によっては計画通りに工事を行わなくてもいいケースが多数見受けられます。
大手マンション管理会社が大きく謳ったことで俄然注目を浴びるところとなったのが「大規模修繕工事の周期延長」。
今までは12年とされてきた大規模修繕工事ですが、高耐久化の工事を行うことによりその周期の延長(18年にまで延長)をはかり、トータルでの大規模修繕工事の回数を減らし長期的に大きなコストダウンが可能になるのです。
とはいえ、この考え方はなかなか広まらないと思います。
それはなぜか???
大きな理由の一つは、管理会社と施工会社の中でしっかりとビジネスチャンスとして計画しているから!
あえて大規模修繕工事の周期延長を提案するのは、管理会社も施工会社自らも工事受注のチャンスを自ら失ってしまう可能性を含んでいます。
「他のマンションでも一般的には12年周期ですし、安全のために念のため工事してしまいましょう!・・・・」と言うことで、慣習的に注文してくれるであろう工事を、「周期延長しましょう!」と提案をしてくれる管理会社はなかなか現れないと思います。
もう一つの理由は、18年周期に必要な「高い耐久性のある修繕工事を行える施工会社が少ないこと!」
大規模修繕工事の周期を延長するには、通常の12年周期の大規模修繕工事に比べて、防水工事や外壁塗装工事などは高耐久の部材・工法による耐久性の高い修繕工事を行う必要があります。 18年後まで品質が保証されるような工事になりますので、多少割高になりますし、その技術も必要になります。
その耐久性の高い修繕工事を、積極的に提案できるほどの技術と知識を持つ施工会社が少ないのです。
まぁ、施工会社としては今までの12年周期で工事をしてもらった方が儲かりますから、積極的には新技術習得に取り組む必要もないですものね。
現時点では、管理組合側で強い意志をもって管理会社に交渉しなければ大規模修繕工事の周期延長の実現は難しいかもしれませんが、数年後にはそれが当たり前になっている社会になっていて欲しいですね!!
令和3年5月23日 ViVi不動産株式会社 矢郷修治